神職の君

神に仕えるシスター。
正直言ってあんまり得意な人種じゃねえ。
しかもどうやら、物言わぬ大地や蟲の痛みさえ感じとるタイプの人間らしい。
心優しい事だな！……け、いけすかねえ。


って、思ってたんだが、やっぱ、思い込みはいけねえな。
話してみればいい奴だった。アメくれたし。



エゴが無くて、「全部誰かの為にー」とか「献愛させて」とか言う奴は苦手だ。
だって生き物に見えないからな。
生き物ってのは欲望があってこそ生き物だろ。
欲の無い奴なんざ生き物とは言わん。
少なくとも俺は認めねえ。

逆に、我欲って奴をちっとでも見せてくれたなら、或る意味に置いて信用できる。
安心できる。ああ、コイツは俺と同じで生きてるんだ。ってな。


だから、今じゃ……ま、結構好きかもな。
向こうからは相変わらず苦手にされてるっぽいが……ま、兎も角俺の方は嫌いじゃねえ。





だって、アイツの我欲って奴の欠片を、今日、見れた気がしたから。





いやー、アイツって思いのほかエｒ


……ＺＡＰＺＡＰＺＡＰ



失礼しました。
いのりさんは素晴らしいシスターです。
素晴らしいシスターです。
信じなさい。疑う事は反逆です。
なぜいのりさんはこれほどまでに素晴らしいシスターなのでしょう。
答えは簡単です。
完璧だからです。
われわれ団員は完璧なシスターの元にいれて幸福です。
疑ってはいけません。疑う事は反逆です。疑う事は反逆です。
私はこの幸福をプレジデント様に感謝します。そして団員の幸福を祈ります。
幸福は義務です。

──ブツン──


(ＢＬＡＣＫＯＵＴ)